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削除は誰がすべきか

著作権侵害というかその辺のお話 - P2Pとかその辺のお話@はてなより:

サイト/サービスという側面から考えると、BitTorrentサイトであれ、YouTubeであれ、2ちゃんねるであれ、ブログサービスであれ、ユーザに一定の自由を与えるサイト/サービスを運営する以上、そこにある種の違法行為が含まれることは避けられない。しかし、そういった違法行為を完全に予防しなければならないとしたら、ほとんどのサービスが存続できなくなるかもしれない。

私は、サービス提供者がある一定の範囲での責任を負っていれば、それ以上のことはその行為者であるユーザに直接責任を問うべきだと思っている。しかしそうなると、その「一定の範囲の責任」という部分が問題となる。どこまでの責任を果たせば良いのか、ということは未だに1つの問題として侃々諤々やられているし、そうした議論は活発に行われるべきだと思う。少なくとも、現状のままで良いというのは1つの考えにすぎない。

これはやっぱり難しい問題なんですよ。 サービス提供者の「サービス」とは何か、みたいのがあって、その定義が難しい。

まあ、僕は分岐だとか分類だとかが嫌なんですけど (cf. 条件分岐が嫌)、 その反面、 この分岐はどうなってるんだろうと考えるといろいろこだわってしまうわけで、 ある意味矛盾しているわけですけどね (cf. P2Pの定義2008年版)。

例えば、 僕のこのブログはさくらインターネット のサーバを借りてるんですけど、 こういうレンタルサーバで、 さくらインターネット側が著作権侵害ファイルがないかとかパトロールして 警告したり削除したり、というのはちょっと想像しにくい。 違和感があります。 ところが、これがYouTubeやニコニコ動画だと、 実際にパトロールしてるのかどうかは別にして、 著作権侵害動画のパトロールをしているとしても、違和感はないんですね。 確かにその差はあるんだろうけど、その差はどこから来るのか。それが謎なんです。

プロトコルスタック的にいうと、 回線の会社があって、 サーバを持ってる会社があって、 その上にサービスをやってる会社や個人があって、 その上にユーザのコンテンツがあるわけですよね。 同じ人がやってることもあるでしょうけど。 「YouTubeやニコニコ動画に著作権侵害動画があるから、 回線会社はその動画をピンポイントでフィルタリングして観れなくしろ」という主張には違和感があって、 だったらYouTubeなりに通報してその動画を削除させるのが正当という気がする。 なんでその層なんだろうと思うんですね。

以下は著作権侵害というよりは誹謗中傷罵詈雑言の話なんだけど、 「「学校裏サイト」管理人に聞く(中):報道が「学校裏サイト」を増やした 削除依頼の実態は (1/2) - ITmedia News」 なんてあって、 掲示板への削除依頼があったとき、 それを実行するのが運営者だとか管理人だとかが削除するわけですけど、 僕のブログへの削除依頼をさくらインターネットが受け付けて、 さくらインターネットが削除する、というのはどうも考えにくい。 違和感があります。 この差って何なんだろう、と。

らき厨: 最近はてな系で見かけるプライベートモードは圧力工作だった!!」 によると、はてなが非公開設定にしているらしい。 ちょっと情報が少なくて、全面的に信じることはできないんですけど、 話としては、 掲示板と同様に運営者が削除するのか、 僕のブログと同様に、運営者が削除するのは妙だ、というあたりの話なんですね。 このあたりは、どちらのモデルに近いかによって、 それぞれの人が持つイメージは違ってくるのだと思っていて、 「誹謗中傷は禁止されるべきか」 ではそのあたりは書いてないんですけど、 掲示板なら運営者が削除するのであれば、なんではてなは削除しないんだ、 というイメージなのかなと。

一方で、僕のイメージとしてなんですが、 ブログを書いてる人に連絡を取れるなら、 そっちに連絡を取るのが先で、運営者が出てるくるのは越権行為だという気がする。

あ、今思いついたんですけど、 2ch型の掲示板って、特定の書き込みに対して、 書いた人本人に連絡を取る手段ってないですよね。 「>>123」とかで書けるには書けるけど、 そのスレを読まないと気付かないわけだし。 また、123本人だとしても書き込みを削除したり修正したりもできない。 となると運営者側に削除を依頼して、 運営者側が自分の方針に従って削除したりしなかったりし、 それが不服なら法廷へ、というシステムは合理的なんじゃないかと。 んで、歴史的に、2ch型の掲示板が先に普及したもんだから、 「削除依頼は運営者へ」という仕組みが、 なんとなく一般化しているんじゃないかなあ。 ブログサービスは掲示板の一種と解釈されている状態。

この辺はシステムにもよるのかなあ。 はてなとかだと、特定の記事を削除するのは運営者でできると思うんですけど、 僕のブログとかだと、 さくらインターネットの中の人が運営者ツールで一発、 というわけにはいかないんですよね。 サーバ自体に繋がらなくするのは一発でできると思いますけど、 記事単位の削除とかだと、そうもいかないんじゃないかな。 でも、削除依頼をする側が、そんなことまで考えているとはちょっと思えない。

そういや「サイトってどの範囲なんだろう」なんて記事も書きました。

なんつうか、 理性のレベルでは分岐だとか分類だとかが嫌なんだけど、 感覚としては確かに分類されているから、 だったらその分類基準は何かを明確にすることで、 理性と感覚を合わせたい、という感じですかね。

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