P2Pを定義する(2)
はじめに
以前にもP2Pを定義した。 今回はC/SからP2Pへの議論を踏まえて P2Pを定義してみる。 今回の定義はたぶんビジネス寄りの人が考えるP2Pに近いものになるはずである。
サービスとインフラ
多数のコンピュータからなるシステムを 規模の大小でサービスとインフラの2つに分類する。 一個人または一組織が管理できる規模のものをサービス、 それより大きい規模のものをインフラと呼ぶ。
C/SとP2P
サービスのうち、 一般のユーザ同士が直接通信するものをP2P、 サーバを介して通信するものをC/Sと呼ぶ。
ビジネス寄りだと考えた理由
ビジネス寄りの解説では、 C/SからP2Pへで述べた 「多数のサーバが無秩序にある状態」を扱うものを見たことがない。 僕の知る範囲では全て 「中央集権的な1つのサーバと多数のクライアント」のシステムと P2Pとの比較をしている。
たぶん「多数のサーバが無秩序にある状態」では特定の企業が管理できず、 管理できないものはビジネスにならない、ということだろう。 だから最初から「中央集権的な1つのサーバと多数のクライアント」しか扱わず、 そのシステムをP2Pに置き換えることを考える。
P2Pのインフラ化
今回の定義では、 まず「中央集権的な1つのサーバと多数のクライアント」があって、 それをP2P化して分散したと考えた。 P2Pが普及していくと、最初はオリジナルの実装だけだったものが改造されたり、 互換ソフトが出てきたりし、 次第に「一個人または一組織が管理」できなくなっていくと考えられる。
インフラ化したP2Pは今回の定義からはP2Pと呼ぶことができない。 オーバレイネットワークとは呼べるだろう。
新月は インフラ化を目指しているのだが、 ビジネスでのP2Pを考えた場合は敢えてインフラ化を目指す必要はないだろう。
まとめ
ビジネス寄りの人と議論できるように、 システムをサービスとインフラに分け、 サービスをC/SとP2Pに分けた。