基本技術として「正しい立ち方」があるのだ、という技術体系は注意深く解釈しないといけない。正しい立ち方があるとして、それが「正しい」としたら、歩く際も「正しい立ち方」を保たなければならないが、歩く...
基本技術として「正しい立ち方」があるのだ、という技術体系は注意深く解釈しないといけない。正しい立ち方があるとして、それが「正しい」としたら、歩く際も「正しい立ち方」を保たなければならないが、歩くのは全身でバランスを取るのだから、「正しい立ち方」とは違ってくるはずなのである。ところが「正しい立ち方」「正しい歩き方」「正しい何々」と連続して教えられると、そのあたりの自覚が曖昧になってしまう。僕は剣道でいうところの「素振り」と「打ち込み」(だったかな。用語が正しいのか謎)が技術的に繋がってないようだという印象を15年とか20年とか持っていたのだけど、逆にいえばそこ止まりだった。それが今年の1月に、台所で洗い物をしているときに、身体が楽になる変な立ち方をしているのに気付き、それは一般に言われている「正しい立ち方」ではないことから、なるほど「正しい立ち方」はあらゆる条件のもとで正しいというわけではないのだと考え始めるようになってきた。
この発想はかなり一般化されるはずで、「正しい立ち方」を保ったまま「正しい歩き方」をして、「正しい歩き方」をしながら「正しい何々」をする、という風に考え方を縛ることが、多くの可能性を潰している。そんなわけで今年の1月から3月にかけて、10年以上持っていた課題が解決してきた。