○○は○○村か
最初は「日本語のサービスはみんな駄目だ」というタイトルを考えてたんですけど、 それはキャッチーすぎるので。
印象論なんですけど、 ニコニコ動画は「ニコニコ村」で YouTubeは「YouTube村」じゃないんですよ。 ニコニコ動画の場合は「ほらここで弾幕」とか 「全体を通してこんな動画が流行っている」 (組曲『ニコニコ動画』 はそれを前提にしている) といった、共通の知識、コモンセンス、お約束、村の掟、という感じのものがあるんですけど、 YouTubeはそういうのから自由な気がします。 いや、しっかりと調べたわけじゃなくて印象論なんですけどね。
なんとなくその差がmixiと Twitterにもあるような気がするんですよ。 この2つを比較するのもどうか、という気もしますけど。
その理由を考えると、運営側との距離なんじゃないかなあ。 運営側の「こう使ってほしい」というメッセージが受け取りやすかったり、 一部のユーザの「こんな風に使いたい」が運営側経由で全ユーザに反映されたり といったことで、お約束が全体に波及していくんじゃないかと思うんです。 で、全体が1種類のお約束を共有することになる、と。
これが英語サービスだと、 有志が個々に解説サイトを立ち上げて、それぞれ勝手な説明をしてたりとか、 運営側との直接のコミュニケーションがやりにくかったりとか、 英語ゆえの使いにくさを別の日本語コミュニティで補ったり (ブログにYouTube動画を埋め込むとか)、 画一的なお約束の成立を妨げることになっていると思ってます。
ランキングの仕組みもあるのかなあ。 多言語だとランキングの上位が「英語がわからないと理解できない動画」 になったりして、ランキングとは別に 「日本語でわかる面白い動画」を有志が集めてきたりね。
これはどっちがいいのか、というとやっぱりわかんないんですけどね。 ニコニコ動画はニコニコ市場とか ニコニコブックマークとか いろいろ立ち上げてユーザの囲い込みをしているような気がしますし。 その辺はYahooが、 検索から遊びから旅行から、なんでもござれのポータルサイトで ユーザの囲い込みをしているみたいなものかなあと思ってますけど。
個人的にはランキングもマイリストも一切なくて、 「やりたきゃはてなブックマークで niconicoタグでもつけてろ」 みたいな殺伐とした環境もありかとは思います。
2chはどうなのかというと、 これは日本語サービスですけど、 初期はまだ規模も小さく、全体を通してのお約束が共有されてましたけど、 現在はもう板レベルのローカルルールはあっても 全体のお約束ってのはほとんどなくなってきてるんじゃないかと思ってます。 といってもまださすがに「名無しさんが基本」というお約束はあって、 なぜか特定の板ではコテハンがデフォルト、というのは僕は知らないです。 もしかしたらあるかも。 これは2chの仕組み(コテハンを名乗っても本人確認がしづらい)から来るもので、 人為的に作ったお約束じゃないですけどね。 そんなわけで2chは「2ch村」かというと、2ch村じゃないと思います。
新月はというと、 開発者である僕の意識は初期は「ローカルルール禁止。全体でお約束を共有」で、 最近は「共通のお約束は非推奨。各自勝手にやるように」に変化してきてます。