Winnyネットワークに寄生しないでPoenyは生き残れるか、ですか
HiromitsuTakagi 「Winnyネットワークに寄生しないでPoenyは生き残れるか」を書く予定。 ところで、「総務省の研究会の案」のリンク先の内容はこう→ 違法情報、有害情報は違法音楽アップロードや名誉棄損といった 権利侵害ではないため…
ああ本当だ(違法情報について)。高木先生ありがとう。
それはそうと「寄生」とは穏やかじゃないですね。 これについては2通りの反応ができて、 1つは寄生とは失礼な、ということで、 もう1つは寄生と言われても仕方ないかな、ということです。
まず寄生とは失礼な、という話なんですけど、 例えば「Eximは電子メールのネットワークに寄生している」とか言わないじゃないですか。 MTA(メールサーバ)にはSendmail, Exim, qmail, Postfixなどがあって、 人気の違いはあるにせよ、どれが主流でどれが寄生しているとかは言わないでしょ。 Winnyも同じで、本家WinnyもPoenyも Winnyプロトコルを話すということでは同格なわけで、 寄生とか言われるのは心外だなあ、という感想です。
一方で、寄生と言われても仕方ないなあというのも確かで、 それは(統計なしの印象論ですが)本家Winnyの利用者数が Poenyのそれを大幅に上回っていて、 1:100とか1:1000とかいうオーダになっているような気がします。 これじゃあ仕方がないかな、と。
それでも仮に僕がMTAを作って自分1人しか使わなかったとしても、 それは寄生とは言われないんじゃないかなあ、と思うのもあって、 Winny固有の問題なのかなあとも思います。
思うとP2P勉強会(いい加減公式サイト作りましょうや)とか、 DHT勉強会でも Winnyをもとに技術的にどうこうするという話は出てないんですね。 たぶん研究レベルの話としては構造化オーバレイを使ったりして、 新しいネットワークの形をどう設計するかという話が主流なんだろうし、 商業的には悪い印象のあるWinnyとは縁を切りたい、みたいな感じなんでしょう。
上でMTAを比喩に用いたのは、それはSMTPというプロトコルについて 複数の実装があって、全体で電子メールのネットワークを構成しているわけですが、 同様にWinnyもWinnyプロトコルというプロトコルで 複数の実装があって、という未来を望んでいたからなんですね。 Poenyがその引き金になるかとも思ったのですけど、 結局のところそれに続くものはないも同然でしょ。 そういう意味ではPoenyは「生き残」ってはいないんです。
1つのプロトコル、複数の実装というと、 最近生まれたものではBitTorrentとか、 もうちょっと抽象的だけどRSSやAtomのようなフィードの仕様、 あとはトラックバックですかね。 2chの.dat形式は国内のみで、あまり普及した印象ではないし、 Winnyについては上に書いた通り。
まとめると、 Winnyネットワークについては本家Winnyが構成するネットワークという解釈と、 Winnyプロトコルを使う各実装が構成するネットワークという解釈があって、 僕としてはどちらも同じくらいの重さで感じているので、 寄生と言われると複雑な気持ちになるとうことです。