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コマンドよりメニュー、メニューより検索が使いやすい

プログラマのためのユーザインタフェースデザイン 第8章: もっとほかにやることがある人々のためにデザインする、パート3より:

コマンドラインインタフェースを使うのは、 マクドナルドのソウル支店で注文するために 韓国語を習わなければならないようなものだ。 メニューベースのインタフェースを使うのは、 ほしい食べ物を指さして元気よく首を振るようなものだ。 それは学習を必要とせずに同じ情報を伝えることができる。

確かにそういう意味ではコマンドよりメニューの方が使いやすいです。

しかしちょっと条件を変えればどうでしょう。 ハンバーガー、チーズバーガー、ダブルチーズバーガー、フィレオフィッシュ、 マックチキン、照り焼きバーガー、月見バーガー… などなど、ハンバーガーが10種類以上並んだ中から、 自分の欲しいものを指さなければいけないとしたら。 だったら「チーズバーガーください」という 韓国語を覚えた方がましだということもありうるのではないでしょうか。

このように、多くのものの中から目的のものを探すのに手間がかかるのが メニュー方式の弱点です。

引用したのは2000年の文章なんですが、 この後Googleの躍進などで状況が変わってきました。 マクドナルドの例で言えば、 「チーズバーガーください」という韓国語を覚えるのでもなく、 メニューの中からチーズバーガーを探すのでもなく、 店員に「チーズバーガー」と一言いうインタフェースです。 つまり検索です。

マクドナルドで「チーズバーガー」と言えば注文に決まっているわけで、 わざわざ「チーズバーガーください」と文章にする必要はない、という理屈です。 コンピュータ上の道具としては、 キーボード(コマンド)→マウス(メニュー)→キーボード(検索)と 一巡して戻ってきた感がありますが、 単なるキーボード操作ではありません。 検索ボックスの指定までは、たぶんマウスで操作することになります。 マクドナルドに入店したら レジ、客席、トイレなどからレジを選ぶのがメニュー、 レジに並んで注文するのが検索といった感じです。

もうちょっと賢くなると、「チーズ…」と言いかけたときに、 チーズバーガーとダブルチーズバーガーの載ったメニューを見せてくれます。 そうすれば曖昧にしか覚えていなくても指差して注文できるわけです。 つまりインクリメンタルサーチです。

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