白田秀彰「インターネットの法と慣習」を買ってきた
白田秀彰「インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門」を買ってきました。 人気がありすぎて売り切れているのか、 人気がなさすぎて入荷してないのか知りませんけど、 4件回ってやっとみつけました。
連載版にだけある内容と、単行本だけにある内容があるので、両方読んだ方がいいかもしれません。
終章(p.184)からの引用です:
私は「ネットワークには独自の法あるいは固有の価値がありうるはずだ」という主張を掲げている。 ところが実際には(中略)明確化されない。 その理由として、私たちが「名」を賭けてネットワークにおいて活動することを避けようとするため、(後略)
名無しさんではよろしくない、ということらしいです。
自律的な秩序を形成するためには、「名」を所有する必要がある
(p.83)や
「名無しさん」の海にまどろむことの危険について考えてほしい
(p.88)のような節もあります。
でもこれってどうなんですかね。
現実にネットワーク上には匿名の傾向があるわけだから、
それを否定してしまっては健全な考察ができないんじゃないの、という気がします。
あと、僕は慣習が法を作るのだということには違和感があって、 法律は専門家(議員や官僚)が気まぐれに決めるものでしょ、 という意識があるのだけど、 これは日本人には割と共通する感覚らしいです。 だから(この本とは関係ないけど) 「きちんと自治をしないと公権力の介入を招くぞ」みたいな意見には賛成できません。 自治してもしなくても公権力は気まぐれに介入してくるでしょ、みたいな感じです。
とりあえずの感想はこんな感じ。