KnoppixでDebianをインストール

はじめに

Knoppixは便利です。ぜひ一家に一枚準備していただきたい。 KnoppixにはKnoppixそのものをインストールする機能がありますが、ここではDebian GNU/Linuxをインストールします。

リンク集

Ringサーバの選択

apt の基本的な設定やパッケージシステムの FAQを参考にします。簡易的にはwww.t.ring.gr.jpを使えばよいのですが、もし自分のISPや大学がリストにあれば、それを使うのがよいと思います。ここでは説明のためにwww.t.ring.gr.jpを使いますが、適宜読み換えてください。

Knoppixの入手

http://www.t.ring.gr.jp/pub/linux/knoppix/iso/から最新のものを入手します。

これをCD-R(CD-RW)に焼きます。ほとんどのCD-RのソフトにはISOファイルを焼くオプションがあるはずです。

Knoppixの起動

起動オプションは次のようにしました。これはカーネル2.6で、コンソールのみで、英語で起動する、という意味です。カーネル2.4よりも2.6の方がうまくハードウェアを認識する、ということもあるみたいですし、逆もあるようです。 Xを立ち上げると動作が遅くなりますが、作業しやすいかもしれません。言語を英語にするとキーボードの配列が多少変わります。日本語にすると、文字化けを防ぐための工夫(LANG=C)が必要です。日本語だとFreeWnnのJserverが起動します。

結局のところ、お好みで構いません。

knoppix26 2 lang=us

パーティショニング

HDDをどのように分割するか。これは一番悩むところです。僕はこんな感じで分割しました。

hda1	/boot	128MB
hda5	/	2GB
hda6	swap	512MB
hda7	/var	2GB
hda8	/srv	8GB
hda9	/home	残り全部

一般的には/,/boot,swapの3つがあればいいようです。 /と/bootを分けるのは、 /bootにreiserfsを使うのはよくないという説があるからですが、今でもそうなのかどうか、よくわかりません。最近のPCはメモリが十分にあるので、swapもなくていいかもしれません。現にこのPCではスワップは発生してないですし。

実際のコマンドはこんな感じ。 hdaはプライマリマスタを表わし、hdd(セカンダリスレイブ)まであります。 SCSIはsda,sdb,...だったかな。英語ですが、直感的にわかると思います。設定が終わったら再起動しましょう。

# cfdisk /dev/hda
# reboot

HDDの初期化とマウント

/bootはext3で、残りはreiserfsにします。

# mkdir /mnt/debroot
# mkreiserfs /dev/hda5
# mount /dev/hda5 /mnt/debroot
# mkdir /mnt/debroot/{boot,var,srv,home}
# mke2fs -j /dev/hda1
# mount /dev/hda1 /mnt/debroot/boot
# mkreiserfs /dev/hda7
# mount /dev/hda7 /mnt/debroot/var
# mkreiserfs /dev/hda8
# mount /dev/hda8 /mnt/debroot/srv
# mkreiserfs /dev/hda8
# mount /dev/hda9 /mnt/debroot/home
# mkswap /dev/hda6
# swapon /dev/hda6

debootstrapの入手

Debianでは Potatoの頃のインストーラはファイル一式をtar.gz形式にしておいて、展開していたそうです。 Woodyからは debootstrap というプログラムを使うようになりました。

Knoppixにもdebootstrapは入っています。ただし設定ファイルが多少古い可能性があるので、最新版を入手しましょう。

http://www.t.ring.gr.jp/pub/linux/debian/debian/pool/main/d/debootstrap/ から最新のものを入手します。下の説明ではバージョン名は適宜読み換えてください。

# cd /tmp
# wget http://www.t.ring.gr.jp/pub/linux/debian/debian/pool/main/d/debootstrap/debootstrap_0.2.45-0.2_i386.deb
# dpkg -X debootstrap_0.2.45-0.2_i386.deb .

debootstrapの実行

いよいよインストールです。ここではSargeのインストールを例にしますが、適宜Woodyや Sidに読み換えてください。

# debootstrap sarge /mnt/debroot http://www.t.ring.gr.jp/pub/linux/debian/debian /tmp/usr/lib/debootstrap/scripts/sarge

エラーが出るかもしれませんが、ここでは気にしなくていいです。

debootstrapについてはDebian GNU/Linux on OpenBlockS266を参考にしました。

debootstrapの後始末

この辺はGentoo Linuxに雰囲気が似ています。

# mount -o bind /dev /mnt/debroot/dev
# mount -o bind /proc /mnt/debroot/proc
# mount -o bind /sys /mnt/debroot/sys
# chroot /mnt/debroot /bin/bash
# chmod o+s /tmp /var/tmp

APTの設定ファイルを編集します。

/etc/apt/source.list:
deb http://www.t.ring.gr.jp/pub/linux/debian/debian sarge main contrib non-free
deb http://security.debian.org/ sarge/updates main contrib non-free

ネットワーク関連の設定ファイルを編集します。

# rm -i /etc/resolv.conf

/etc/resolv.conf:
nameserver どこか
nameserver 別のどこか

後始末本番です。

# apt-get update
# apt-get -f install
# apt-get dist-upgrade

もし /usr/sbin/sendmail が /bin/true へのシンボリックリンクだったら、 exim4 にリンクを張り直しておきます。

rm /usr/sbin/sendmail && ln -s exim4 /usr/sbin/sendmail

本格的な設定

ネットワークやドライバの設定です。あらかじめ/etcを調べておきます。シンボリックリンクのもので、Knoppixに依存しているものはここで削除します。

# find /etc -type l
# rm -i /etc/hostname

だいたいの設定は次のソフトでできます。

# base-config

一応念のため確認しておきます。この辺のファイルはKnoppixが自動生成したものをコピーし、編集すればよいです。

/etc/hostname
/etc/hosts
/etc/fstab
/etc/network/interfaces

カーネルとGRUBの設定

システムを起動可能にします。

# apt-get install kernel-image-2.6-686
# apt-get install grub
# grub-install --root-directory=/boot /dev/hda || true
# cd /boot && mv boot/grub . && rmdir boot
# cd /boot/grub && cp /lib/grub/i386-pc/* .
# cp /usr/share/doc/grub/example/menu.lst .

/boot/grub/menu.lst:
timeout 5
default 0
fallback 1

/etc/kernel-img.conf:
do_initrd = Yes
postinst_hook = /sbin/update-grub
postrm_hook = /sbin/update-grub
do_bootloader = no

# update-grub
# grub

次はGRUBのプロンプトに打ち込むコマンドです。

> root (hd0,0)
> setup (hd0)

GRUBの設定はカーネルを追加するための設定を参考にしました。

インストールしておくとよさそうなパッケージ

debian-installerがインストールしていたパッケージです。

cramfsprogs
hotplug
iso-codes
jfbterm
locales
localization-config
reiserfsprogs

再起動

Knoppixの自動認識したモジュールなどを記録しておきます。

/etc/X11/XF86Config-4
lsmodの結果

うまくいくことを祈って再起動しましょう。

# apt-get --reinstall dpkg
# reboot

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