占有と共有の間で
はじめに
Web上のものは「誰のものか」というと、はっきりとは言い難いものが多いです。 Webスペースを借りていれば「これは自分のものだ」と言えますが、 同時にそれはサーバを提供している会社のものでもあります。 2chでスレッドを立てれば 「このスレッドは自分のものだ」と思えますが、 管理者ひろゆきのものでもありますし、 2chは大きすぎるので「誰でもない。みんなの共有物だ」とも言えます。
はっきりとは言い難いのですが、それでも 「これは自分のもの」「これは誰か別の人のもの」「これはみんな(自分たち)のもの」 と何となく分類していることと思います。 複数の意識を同時に持つこともあります。 その意識と行動の関係について、 統計的なデータは何もないんですが、文にしてみました。
この文章はソーシャルブックマークはニュースサイトをコモディティ化すると 今のソーシャルブックマークは「自分の領地」という雰囲気が無いので孫ニュースサイトの代替にはなれないの 影響を受けて書かれました。 ソーシャルブックマークはニュースサイトをコモディティ化するの感想@新月と はてなに手を出したのは…に加筆したものでもあります。
具体例
いきなり例を挙げてしまいます。
- 自宅サーバ
- 自分のものなので、どう使おうが自分の勝手。 ディスク容量もCUP負荷も気にしない。
- Webスペース
- 自分のものなのでコンテンツを作って盛り上げる。
- XREAのものなので負荷をかけないように気をつける。
- 新月掲示板, 2ちゃんねる
- 自分たちのものなのでたくさん書き込んで盛り上げる。 負荷はかけないよう、荒らさないよう気をつける。
- 知らない人のBlog
- コメントを書きこむ気など起きない。 労力を使いたくない。 自分とは何の関係もない。
もう少し個人的な例
上の例は割と一般的じゃないかと思いますが、次のは個人的なものです。
- mixi
- 運営会社のもの。自分のものではない。 労力を使いたくない。日記を書く気は起きない。
- はてなブックマーク
- 自分のものなのでたくさんリンクを張って盛り上げる。
- はてなのもので、自分のものではないので、 負荷がかかろうが知ったことではない。
盛り上げようとする条件
上の例では、ある場が自分のもの、または自分たちのものと思ったとき、 それを盛り上げようとしています。 他人のものだと思うと、どうでもいい、労力を使いたくない、と思います。
自分のものだと思える条件
例の第2ブロックは、たぶん人によって感じ方が違うと思います。 本当はアンケートを取るなりして調べてみたいところですが、 ここでは狭い範囲で例を挙げます。
- 見た目を変更すること
- 今のソーシャルブックマークは「自分の領地」という雰囲気が無いので孫ニュースサイトの代替にはなれないで述べられている通りです。
- 大学でUnixのアカウントをとった学生はまず壁紙を変える。 共有のワークステーションを自分のものにする儀式だ。 という文章を読んだ記憶があります。
- データのエクスポート
- サービス上のデータをローカルのPCに保存することで、 サービスは自分のものではないが、データは自分のものだ、 と確認する儀式です。
- 僕ははてなダイアリーのデータをバックアップしたとき、 それを自分のものだと認識しました。
自分たちのものだと思える条件
正直よくわかりません。 2chの場合は参加者が「名無しさん」というハンドルを共有することが 一体感の理由の1つだとは思います。
ソーシャルブックマークがこの先生きのこるには?
今のソーシャルブックマークは「自分の領地」という雰囲気が無いので孫ニュースサイトの代替にはなれないで指摘されているように、 デザインの編集機能をつけて、自分のものだと思わせるのが1つでしょう。 もう1つは何らかの方法で、自分たちのものだと思わせることです。
しかしこの2つは相反するかもしれません。 人によって見た目が大きく違えば、同じ共同体の一員だ、 とは思えないかもしれません。 はてなは この2つを両立させようとして、ある程度成功しているという印象がありますので、 うまくやることを期待しています。
まとめ
Web上のものに「自分のもの」「他人のもの」「自分たちのもの」とラベルをつけ、 それによって行動が変わることを述べました。 自分のもの、自分たちのものと思えたとき、場を盛り上げようとします。 自分のものだと思わせるのはいくつかの手段があります。 自分たちのものだと思わせるのは困難でしょう。
様々なサービスについて、自分のもの、自分たちのものと思えるかどうか、 アンケートを取ったら面白いかもなあ、と考えています。 何かよいアイデアがありましたら掲示板にどうぞ。