ランダムジャンプ
以前分散と集中の問題について書いた。 しかし本質は分散/集中にあるのではなかった。 単に、文書の量が多過ぎるので読み切れないということだ。
以前は2chを読んでいれば一通りの流れがわかったが、 今では各地にBlogがあって大変だ、と書いた。 そのように書くと分散の問題のように読めるのだが、 もしBlogに書かれている情報が 全て2chに書き込まれたらどうなるのかを考えれば間違いとわかる。
自然言語処理の論文を読むと、 現代では情報が多過ぎるので計算機で処理しなければならない、 というのが決まり文句のように出てくる。
さて、情報が多過ぎて読み切れないとしたらどうするか。 何らかのフィルタをかけて、少なくするしかない。 例えば次のようなフィルタがある。
- 自動要約で文章自体を短かくする
- TF法などで面白そうな文書を取り出す
- 個人ニュースサイトなどで注目されている文書を読む
- 掲示板で話題になっている情報に注目する
- 特定小数のBlogで話題になっている情報に注目する
フィルタの欠点は視野が狭くなることである: RSSリーダとはてなアンテナは「民主主義の敵」か?
そこで考えた。 世の中にあるさまざまなページをランダムに選んで読めば、 思いもよらなかった情報に遭遇できるかもしれない。 たくさんのページの情報(ここで必要なのはURIだけだけど)を 自分で持つのは大変だから、Googleの力を借りよう。
まず、辞書からランダムに単語を選ぶ(実装では完全にランダムではない)。 その単語で検索をする。 実際やってみると、ほとんどのページには興味が持てないが、 ほんの少し、面白いページがあった。
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昔、携帯のHPのリンクで、ランダムに飛ぶやつがあったなぁ… 見てたら、それ思い出した。
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手間をかけなくても、pingサーバを眺めていればいいのではないかと。 ある時点でどのBlogが上位にあるのかはランダムなわけで。 素直が一番。
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う~ん、やりたいのは「ある程度自分の興味に合いそうで、かつちょっと予想外」な ページとの出会いを演出する(?)ことですよね(たぶん)
だとすれば、例えば 「今閲覧しているページに存在するリンクから、 1~2ホップ先に存在するページの集合から、ランダムにページを選択して表示」 ぐらいの手順でも目的は達成できそうな気がします。 (当然ホップ数が大きくなれば大きくなるほど「予想外」指数は大きくなる反面、 「興味との合致度」は小さくなります)
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それはちょっと違うんですね。 近所のノードではなく、 全く別の場所に飛ぶことで視野を広げようという作戦なので。
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インターネットで情報発信と威張ってみても、実際のところは口コミと五十歩百歩。 改めて気がついて、ちょっとがっかり。
違うところがあるとすれば
- (原則として)誰でも「会話」に参加できる
- (原則として)「会話」は長期間保存される
の2点か。
そのように割り切れば、情報を伝えるなら隣人から地道にやるしかなく、 情報を得るのも隣人から地道にやるしかないわけだ。
隣人というのは口コミに対応する比喩で、 本当のところは人格というよりも、記事単位なのかもしれない。
ランダムジャンプは隣人を増やす手段ともいえる。
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個人のサイトなんてしょせん口コミのようなものじゃないか、 というのが上の書き込み。 ↓は明言はしていないが、口コミは凄いものだ、という立場からの文章。
この記事や、そこからリンクされている記事と僕の考えには違いがある。 「ある文章を何人が目にするのか」という視点の有無である。 例として挙がっているアットコスメでの書き込みは、 他の多くの参加者が読むと思われる。 一方このサイトでぼそっと「○○石鹸で顔を洗ったら肌が荒れた」と書いても、 誰が見るのだろうか。 おそらく、少数の「常連」だろう。 その常連さんが、○○石鹸に興味を持てば、自分のサイトに転載するかもしれない。 自分のサイトではなくて、掲示板かもしれない。 それで、ごく少しずつ、○○石鹸はよくないとか、 そもそも最初に言い出した人はどんなタイプの肌なのかとか、話題が広まっていく。
このように少しずつ話題が広まるものを、上では口コミと呼び、 世界中に開かれているWWWとはいえ話題が広まる速度は遅いのだ、 がっかりだ、という主旨の文を書いた。
その辺の感覚が、互いにちょっとずれている。